地域包括支援センターは、高齢者の皆さんが、地域において安心でいきいきとした生活を送ることが出来るよう、さまざまな権利を守ります。不当な扱いを受けて、本来の権利が侵害されることの無いよう、成年後見制度の紹介、高齢者虐待の防止・早期発見、悪質商法被害を防ぐ取り組みなど、高齢者の権利を守るために必要な支援を行います。
●成年後見制度●
成年後見制度は、認知症などで判断能力が不十分となり生活が困難となった人たちに、契約等の代理行為を行うことや、金銭管理を支援することにより財産を守る制度です。
<相談内容の例>
・将来認知症になった時のために、信頼できる人に今後のことを頼んでおきたい
・最近物忘れが多く、日用品などの支払いが出来なくなってきた
・家族が認知症になってしまい、お金の管理や財産について分からなくなってしまった
●高齢者虐待防止・早期発見●
高齢者虐待とは、高齢者が他者からの不適切な扱いにより権利利益を侵害される状態や生命、健康、生活が損なわれるような状態におかれることです。
地域包括支援センターでは、虐待を受けている高齢者の保護を行い、虐待防止の観点から擁護者への支援も行います。
<相談内容の例>
・近所に暴言や暴力を受けていそうな高齢者がいるのだが・・・
・髪や爪が伸び放題、十分な水分や食事が与えられない様子で心配・・・
・髪や爪が伸び放題、十分な水分や食事が与えられない様子で心配・・・
・本人の預貯金を勝手に使い込み、本人のためには使われていないようだ
●消費者被害の防止●
近年、消費者被害には、「訪問販売」「電話勧誘販売」「劇場型勧誘」「催眠商法」「かたり商法」など、様々な類型があり、その手口も多様化しています。
地域包括支援センターでは、消費者被害の未然防止・予防できるように消費者被害についての情報提供や消費者被害を受けていると思われる高齢者を発見し、消費生活センターと連携して対応していきます。
地域包括支援センターでは、消費者被害の未然防止・予防できるように消費者被害についての情報提供や消費者被害を受けていると思われる高齢者を発見し、消費生活センターと連携して対応していきます。
<相談内容の例>
・必要のない高い布団を売りつけられてしまった
・無料点検と言われたが、高額の修理代を請求されてしまった
上記のようなことでお困りの際は、上三川町地域包括支援センター(☎56-5513)までお気軽にご相談ください。
出前講座を開催します
ミニサロン、いきいきサロン、シニアクラブ等を対象に、各公民館等に出向いて権利擁護について出前講座を実施しております。お気軽にご相談ください。
●講座の一例●
・消費者被害の防止及び対応について
・認知症になっても自分の財産を守ってもらう方法とは
・高齢者虐待の防止や早期発見について など
問い合わせ先:上三川町地域包括支援センター ☎56-5513
成年後見制度勉強会
令和7年度成年後見制度勉強会
~あれこれ決められなくなる前に、成年後見制度について一緒に勉強しませんか?~
成年後見制度のしくみやエンディングノートの活用方法、終活についての勉強会を開催します。
全3回の勉強会ですが1回だけのご参加でも大歓迎です。
参加ご希望の方は下記申込み方法によりご連絡ください。
開催日時
1回目:成年後見制度ってどんな制度?
令和7年6月11日(水)13:30~15:00(13:00受付)
申込期限:6月10日(火)
2回目:事例から成年後見制度を知ろう
令和7年7月10日(木)13:30~15:00(13:00受付)
申込期限:7月9日(水)
3回目:エンディングノートと終活について
令和7年7月16日(水)13:30~15:00(13:00受付)
申込期限:7月15日(火)
会 場
上三川いきいきプラザ2階大会議室
申込み
上三川町地域包括支援センターへ①~③のいずれかの方法で申し込む。
①T E L :56-5513
②F A X :56-6381
お申し込みの際はお名前、ご住所、お電話番号、参加日をお知らせください。
参加費無料
成年後見制度コラム
成年後見制度コラム【4月】
成年後見制度とは?~あなたと家族を守る法律のしくみ~
高齢化が進む現代、認知症や知的障がい、精神障がいなどによって判断能力が低下した人が、財産の管理や契約行為を行うことが難しくなるケースが増えています。そんなときに、本人に代わって支援する「成年後見制度」は、本人の権利を守るための重要な法律的仕組みです。
成年後見制度の目的
成年後見制度は、判断能力が不十分な人を法律的に支援し、本人の権利と財産を守ることを目的としています。制度を活用することで、悪質な訪問販売や詐欺被害を防いだり、生活に必要な契約(介護サービスの利用、入所施設など)を円滑に進めることができます。
法定後見と任意後見の2つのタイプ
成年後見制度には、以下の2つのタイプがあります。
1.法定後見制度
すでに判断能力が低下している人に対し、家庭裁判所が後見人を選任する制度です。後見・保佐・補助の3つに分かれ、本人の判断能力の程度によって使い分けられます。
2.任意後見制度
まだ判断能力があるうちに、自分が将来判断能力を失ったときの後見人をあらかじめ契約で決めておく制度です。
なぜ今、成年後見制度が注目されているのか?
日本では2025年には高齢者の約5人に1人が認知症になると言われており、「親の判断力が心配」「遺産の管理をどうしたらよいか悩んでいる」という相談が急増しています。成年後見制度を知っておくことは、自分や家族の「もしも」に備える大切な知識と言えるでしょう。
成年後見制度コラム【5月】
後見・保佐・補助の違い
~本人の判断力に応じて、支援のレベルは3段階~
成年後見制度には、判断能力の程度に応じて「後見」「保佐」「補助」という3つの類型があり、それぞれに対応する支援の範囲や方法が異なります。この仕組みによって本人の状態に合わせた柔軟なサポートが可能になります。
1.後見(こうけん)
対象者:判断能力が「全くない」人
(例:重度の認知症や知的障がい)
本人に代わって後見人がすべての法律行為(財産管理、契約など)を行います。
本人が行った契約は、原則として後見人が取り消すことができます。
2.保佐(ほさ)
対象者:判断能力が「著しく不十分」な人
(例:中度の認知症、統合失調症など)
日常的な買い物などは本人でもできますが、重要な契約(不動産売買やローンなど)には保佐人の同意が必要になります。同意がない場合、保佐人は契約を取り消すことができます。
3.補助(ほじょ)
対象者:判断能力が「一部不十分」な人
(例:軽度の認知症)
原則として本人が行えることが多いですが、必要に応じて特定の行為について補助人の同意権・代理権を付与することができます。家庭裁判所が指定した範囲内で補助人が関与します。
まとめ:誰にどの制度が合っているのか?
類型 | 判断能力 | 主な特徴 | 主な支援者の役割 |
後見 | ない | 後見人が全面代理 | 契約の取消・代理 |
保佐 | 著しく不十分 | 同意が必要な契約あり | 同意・取消・一部代理 |
補助 | 一部不十分 | 必要な範囲で支援 | 指定された範囲で代理 |
本人の「できること」を尊重しつつ、必要な部分だけ援助する、それが成年後見制度の本質です。
次回(6月)は、「後見人になれる人、なれない人」について説明します。
成年後見制度コラム【6月】
穏やかで過ごしやすい季節となりましたが、皆様お変わりありませんか。
6月は後見人になれる人・なれない人について解説します。
成年後見制度を利用するうえで、多くの方が気になるのが「後見人は誰になるのか?」という点です。今回は、法定後見制度における「後見人になれる人・なれない人」について詳しく解説します。
後見人になれる人
家庭裁判所が後見人を選任する際、次のような人が候補となります。
① 親族(配偶者・子・兄弟姉妹など)
② 専門職(弁護士・司法書士・社会福祉士など)
③ 市民後見人(養成講座を受講した一般市民)
④福祉関係の法人(NPO法人、社会福祉法人など)
誰が選ばれるかは家庭裁判所が決めます。家庭裁判所は、申立書に書かれた「候補者」を参考にしながらも、本人の状況や家庭事情、財産の内容などを総合的に判断して最終的な後見人を決定します。候補者がいても選ばれないケースもあるため、注意が必要です。
後見人になれない人
法律(民法847条)では、次のような人は後見人になれないとされています。
未成年者
家庭裁判所で解任された成年後見人等
破産者
本人に対して訴訟中または訴訟したことがある人
不正な行為や著しい非行がある人
利害関係が対立する恐れのある人(例:本人の借金の保証人など)
これらに該当する場合、親族であっても後見人になることはできません。
まとめ
後見人は、本人の権利と財産を守る重要な役割を担います。そのため、信頼できる人かどうか、利益相反がないか、適切に判断できるかが重要視されます。
制度を利用する際には、「誰に任せるか」「どのような支援が必要か」を家族でよく話し合い、場合によっては専門家に相談することをおすすめします。
上三川町では、成年後見制度の相談を上三川町地域包括支援センター、上三川町成年後見サポートセンターで受け付けています。お気軽にご相談ください。
次回(7月)は後見人の報酬・費用はどれくらい? について説明します。